「下痢」について学ぶ 森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック

森ノ宮胃腸内視鏡クリニック 2016年8月JR森ノ宮駅直結 ビエラ森ノ宮に オープン
内視鏡専門医による的確な診断と、丁寧な説明、楽な検査を心がけます。



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下痢について


皆さんも、これまでに下痢を起こしたことはあると思います。冬でも夏でも、下痢の患者さんは来られます。
その診察で医師が考えている事、説明する事を少し詳しく解説したいと思います。


下痢とは?
「便の水分量が増加し、軟便、泥状便あるいは水様便を呈し、排便回数が1日3回以上に増加した状態」とされています。
また経過が2週間以内の「急性型」と、4週間以上の「慢性型」、その間の「遅延型」と分類されます。
急性型は感染性腸炎である事が多く、慢性型は感染以外の病気を考えないといけません。
慢性型の原因としては色々あるのですが、過敏性腸症候群、薬剤によるもの、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、慢性膵炎、大腸癌なども考えないといけません。

特に大腸癌の場合は、腸が狭くなって便回数が増えたことを「下痢」と思って受診されるケースがしばしば見受けられるので注意が必要です。


感染性腸炎
ブログをご覧の中でも、「下痢=感染性腸炎」と考えられている方も多いかと思います。
確かに、急性期(発症2週間以内の下痢)の多くは感染性腸炎と考えられています。
感染にはウイルスと細菌がありますが、大半はウイルス性腸炎で自然に治癒します。

(診断)
ウイルス感染なのか細菌感染なのかを診断する事は難しく、症状(発熱、下痢回数、血便の有無、症状の日数など)から判断する事がほとんどです。
またどのウイルス、細菌の感染によるものか調べることもあまりありません。(集団食中毒などで調べることはあります)
細菌培養検査は結果までに時間がかかるうえに陽性率が低く(5~6%と報告がある)、ノロウイルス検査では保険適応の問題があり、検査せずに問診だけで治療されることが多いと思います。


生肉や牡蠣を食べて「食あたりした」という人もたくさんおられると思います。
医師も下痢の訴えの患者さんには、必ず問診で「何を食べましたか?」と聞きます。
食事内容と病原体には、ある程度つながりの有るものがあります。
その一例をお示しします。
 ●鶏肉→カンピロバクター、サルモネラ
 ●魚介類→サルモネラ、ノロウイルス
 ●卵→サルモネラ
また発症までの時間も診断の一つの基準になります。(大まかな基準です)
 ●食後1~6時間で嘔吐→黄色ブドウ球菌
 ●食後半日で水様下痢→ウェルシュ菌
 ●食後1~3日で下痢→サルモネラ カンピロバクター
 ●食後1~2日で嘔吐→ノロウイルス

また症状の経過が長い場合や、血便などの症状が出てきた場合は
大腸カメラで直接腸の中を見て、粘膜の炎症などの病変がないか、便を採取して培養したりすることによって
診断する事もあります。

(治療)
では、急性下痢の場合の治療はどうしたらいいのでしょうか?
結論から言うと、ほとんどが自然に軽快するため「補液(飲水や点滴)だけで様子を見る」ことが多く、それに整腸剤(善玉菌の集まり)を処方されるくらいだと思います。
ただ、強い細菌感染を疑う場合には、抗生物質の処方が行われることがあり、医師の診断によって決められます。
 もう一つ、重要なポイントとしては「下痢は止めない」という事です。そもそも下痢は腸内に入ったウイルスや細菌を出すための正常な反応です。
患者さんの中には「下痢止めが欲しい」とおっしゃる方もおられますが、下痢止めを使った場合、さいあく症状の悪化を招く事があります。大変かも知れませんが、下痢は止めずに、「出せるものは全部出してしまう」というのが正しい考えです。

 私は水分以外にも、糖質や電解質を補う意味でも「ポカリやアクエリアスを飲んで下さい」と説明したり「お粥を摂って下さい」と説明しています。市販でもOS-1のような脱水予防の飲料もあります。
また出来るだけ症状が落ち着くまでは生ものの摂取は控え、腸に刺激となる辛い物や、アルコールも控えるように指導しています。

 多くの下痢は、感染性腸炎で自然に治る事が多いため あまり心配し過ぎる必要はありません。
ただ病原性大腸菌O-157などで言われるように、中には強い炎症を起こして血便や腹痛を強く認めることもあります。
経過を見ながら「おかしい」と思えば お医者さんにかかることも重要です。
 下痢の期間が長い場合は、「単なる感染性腸炎」ではない事もあり、近くの内科(できたら消化器内科)の先生にかかるようにした方がいいと考えます。そして、血液検査や大腸カメラなどでしっかりと調べる事も大事だと思います。


今回のテーマは「下痢」について、でした。
主に感染性腸炎について書いていますが、それ以外にもたくさんの原因があるのがお分かりいただけたかと思います。

森ノ宮胃腸内視鏡クリニック 院長 藤田 
2016年8月JR森ノ宮駅直結 ビエラ森ノ宮に オープン予定です。
内視鏡専門医による的確な診断と、丁寧な説明、楽な検査を心がけます。



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2016-01-28(Thu)
 
プロフィール

DRfujimi

Author:DRfujimi
森ノ宮胃腸内視鏡クリニック 院長の藤田です。
消化器内視鏡専門クリニックとして、楽で正確な胃カメラと大腸カメラ、専門医による正しい治療と分かりやすい説明を行います。

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